日々の泡を綴る うたかたの光を撮る


by bbking1031
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結婚

やっとWくんが結婚する(できる)ようだ。
同僚や後輩なんぞにどんどん先を越されて心中穏やかならざるものがあっただろうことは予想できる。
44歳だもの。
独身貴族などというが、貴族などといえるほどの収入があるわけでもない。
頭は薄ら淋しくなるし、秋も深まった。
Wくんはちゃんとしているが、たいていのいき後れた男衆たちは、なんだか生彩がない。
ズボンにはプレスがかかってないし、シャツの襟は擦り切れているし、ネクタイはいつも同じでラーメン汁の沁みもあり、肩にはフケの薄化粧、眼鏡は手垢で曇り、煙草に燻された上着は死体の臭いがする。
コンビニでエロ本を立ち読みし、眠りにつくまでの時間をテレビを見ながらビールとサキイカで過ごし、布団を敷くのもめんどうだから、炬燵に入っまま横になる。
夜中に喉が渇いて目を覚ます。
飲み残しの温いビールを飲む。
炬燵布団にビールをこぼす。
まあいいか。
煙草に火を点ける。
昔つきあった女のことを考える。
「ああ、しまったなあ……」
ぼくも一歩間違えばこんなふうだっただろう。
アブねえアブねえ。
危機一髪だったんだ。

結婚_c0156908_0213896.jpg


PENTAX K100D+ DA55-300mmF4-5.8ED
by bbking1031 | 2008-11-13 00:22 | 写真と日記