日々の泡を綴る うたかたの光を撮る


by bbking1031
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渡海

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こんなさびしい港で3時間もフェリーを待っていなくてよかった。
切符売り場なんて田舎の潰れかかったパチンコ屋の景品交換所より物悲しい風情である。
乗船客も少ない。
坊主頭の高校生数人となんだかゆるーい感じの若い衆とその他。
みんななにもしゃべらない。
重い夕景がみんなを黙らせているようだ。

甲板で写真を撮っていると、きたない作業着を着たおっさんが話しかけてきた。
「そのカメラは倍率がどのくらいなんですか?」
デジイチを持っていると、たいてい訊かれるのが「キャノンかニコンか」、「いくらするんだ」とか、「画素は?」なんてことだ。
ペンタックスだし、安いし、画素だけなら普通のコンデジに劣る。
倍率を訊かれたのは初めてだった。
「これは広角レンズなんで倍率はあんまり高くないんですよ。」
レンズをフィッシュ・アイに換えてみる。
撮れた画像を見せてあげる。
「わあー、ハイビジョンみたいだ。
昨日もこの船で写真撮ってる人がいたね。
女の人でした。
この便が写真を撮るのにいちばんよかとでしょうね。」
そうか、この船に乗れてよかったんだな。
おっさんは甲板にごろんと横になってリュックの中から魔法瓶をだしてお茶を飲み始めた。
ここがこの人の特等席なんだな。
彼も毎日この景色を楽しんでいるのだ。
ぜいたくなものだと思った。

PENTAX K10D+smc PENTAX-DA FISH-EYE 1:3.5-4.5 10-17mm ED(IF)
by bbking1031 | 2008-08-20 00:49 | 写真と日記