日々の泡を綴る うたかたの光を撮る


by bbking1031
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小三治

小三治_c0156908_18125668.jpg

やっと『小三治』を観ることができた。
落語は小三治さんが日本一だね、とぼくは思っている。
芸というものは人柄がでる。
落語は子どものころから好きだったが、落語家はどうも好きになれない人が多かった。
三平なんかきらいだったね。
品がない。
あんまり勉強しない人なんじゃないかなあ。
テレビ向けではあったけれど。
三平の古典落語は面白かったが、テレビで放送されることは少なかったからしかたがなかったかもしれない。
小三治さんは、若い頃は「笑点」の大喜利なんかにもでていた。
非常にシュールなことをいっていた。
「大喜利はやりたくない」なんてこともいっていた。
そしたらほんとにでなくなった。
残念だったが、エライと思った。
ラジオだったかテレビだったか忘れたが、『景清』をやってくれた。
後にも先にも落語でこんなに感動したことはない。
ぼくは感動するとすぐ泣くんだが、このときばかりは号泣しましたね。
小三治さんはもう『景清』はやらないみたいだ。
「めくら」ってことばがたくさんでてくるから、テレビなんかじゃできないんだろう。
つまらないね。

ぼくも話すのが商売だから、小三治さんからいろいろ学ばせてもらった。
なんでこんなに面白いのか?
いってしまえば、間なんだけど、そりゃあ人によって間の取り方は違うんだから、小三治さんの間がいちばんというわけではないのだが、ぼくは小三治さんの間がいいんだ。
それから彼がなんども映画のなかでいう「心」というもの。
芸が達者でも「心」が大切なんだよね。
譜面どおりに弾けても音楽家ではない。
文章が書けても文筆家とはいえない。
噺をしようとしてるのではない、心を伝えようとしているのだ。
小三治さんの師匠の小さんを聴きにいったことがある。
いやもうなんというか、すごいんですよ。
噺がうまいとかそういうことじゃなくて圧倒されるというか包まれるというか、なんだったんだろうな、とにかく感動するのである。
小三治さんの話で、あのときの小さん師匠のすごさがなんだったのかちょびっとだけ分かったような気がする。
おまけといってはなんだが、映画のなかで「こみち」さんがちらちら見えたのがよかったね。

話は違うが、たった今、amazonからCDが届いた。
今朝注文して夕刻には届くのだ。
『ボブ・ディラン/欲望』である。
彼の最高傑作である(とぼくは思っている)。
LPしか持ってないので車で聴くためにCDで買い直したのである。
『小三治』を見終わって、トイレで小便しながら、「小三治はボブ・ディランだな」と思っていたのだった。
理由なんて訊かないでくれ。
そう思ったんだから、しょーがない。
by bbking1031 | 2009-05-10 18:43 | 日記